関門と戦うブログ

ギリギリ関門を通過するトレイルランニングの記録

2019 UTMF 天子の苦闘、そして雪

既に各所で話題になっている今年のUTMF、行って参りました。

結果は127km山中湖までで中断!

色々と勉強になることが多いレースだったので書き留めておこうと思います。

では。

 

【スタート 0km - W1 粟倉 16km】

前日の予報では3日間晴れだよやったね!って感じでしたが

なんのこたーない朝から思いっきり雨でした笑

スタートまでの数時間テントの下で選手皆で身を寄せ合って時間を待ちました。

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スタート前になんとか雨は上がって霧の中スタート。

初の100マイルで飛ばし過ぎは厳禁と考え後方から出ます。

粟倉までは少し距離の延長があったものの去年までと同じ緩い下り基調のロード。

心拍を出来れば140以下、上がっても150以下に保つことだけを意識して

ゆっくり入りました。

粟倉の入りタイムは1:55程度で順位は1850/2458。予定通りです。

 

【W1 粟倉 16km - A1 富士宮 23km 】

ここから大誤算がスタート。

粟倉を出ると鉄塔道のトレイルに入りますがここの入り口で大渋滞。

その後もA1まで渋滞は解消されずじりじりと進みます。

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元々渋滞することは分かっていましたが

天候も相まってその激しさが想像をはるかに超えていました。

2500人になった影響がこんなに大きいとは。

A1の入りは3:42。1750/2458人。

なんと僅か7kmのこの区間で去年のSTYより50分近く遅れました。信じられねぇ。

 

【A1 富士宮 23km - A2 麓 51km】

A2麓で焼きそばにありつけるか一抹の不安を感じ始めたため

A1は休憩少な目で再スタート笑。それまでにトレイルで止まってたし。

天子は週の半ばから降っていた雨で予想通りマディな状況。

スピードの落ちる登りはいいものの稜線に出ると

案の定再び断続的な渋滞が始まります。雨も再び降り出す。

そして急登+激下りとなる熊森山周辺は大渋滞。ぴたっと止まってまったく動かない。

しびれを切らした外国の選手が何人も九十九折れをショートカット。

まぁ気持ちは分かるけど笑

あと稜線での渋滞なので止まってるとどんどん冷えてきて

低体温のリスクも考慮しなければいけない状況でした。

その後聞いた話では更に後方では怒号と悲鳴、衝突音が

響き渡る地獄絵図だったそうです。

A2麓へのinは10:23, 順位は1385/2458。

予定していたタイムより約1.5時間遅れ。

この辺りで計画していたタイムとの比較はやめました。

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懸案の焼きそばは無事頂く。マジでうまい。

ほんとは3つくらい食べたかったが1人1限だったので我慢。

ただこれ全選手余裕を持ってまかなえるはずの数が用意されていたそうですが

後方の数百人は食べられなかったとのことです。

みんないい大人なんだからちょっと考えようね。食べ物の恨みは恐ろしいから…。

 

【A2 麓 51km - A3 本栖湖 66km】

今回はノンサポートのためレイン着ててもびしょびしょになったウェアは

精進湖まで交換できない。

焚き火のそばから離れたくない病にかかるが

これでウェアが乾かないことは分かっているので意を決して再スタート。

竜ヶ岳のキツい登りは無心でこなすが頂上近くまで来たら風が凄い!

雨が真横から降ってくる状態でたまらずレインパンツを着る。

そしてここの下りが天子を超える超マディ。

完全シングルトラックなのでペース差があってもパスできず再度渋滞が発生。

まさかここまで何もかも予定通りにいかないとは。試されている。

とにかく気持ちを切らさないことと体を冷やさないことだけを考えて進む。

ペースは上がらないがここまで路面がひたすらマディだったので

足を使ってしまっている感じが。気を付けねば。

本栖湖inは14:40。1220/2458。

湯葉丼(美味!)でチャージしてあまりどっかりとは休まず再スタート。

早く精進湖へ行きたいし渋滞から逃げたい。

 

 【A3 本栖湖 66km - A4 精進湖 78km】

このセクションからは雨も弱まり渋滞もなくなり

気持ちよく走れるようになってきた。

行け行け今まで散々休んだんだから走れと自分に発破をかけながら走る。

ただ去年は90km付近の足和田山で朝を迎えたものの

今年はこの時点で空が白み始めてきてちょっと焦る。

このセクションは順調に走破し精進湖inは17:45。1075/2458。

 

【A4 精進湖 78km - A5 勝山 95km】

待ちに待ったドロップバッグを受け取る。

ガーミンとスマホ充電→カレーメシにお湯を貰う

→プロテクトJ1塗り直し→ウェアとシューズ全交換

の一連の作業をこなしてから毛布にくるまって15分仮眠。

これでかなりフレッシュになった。

前半苦戦して落ち気味だったメンタルも回復。雨もやんだしよーし行くぞ!

和田山のサーフェイスはそこまで荒れていない。

こっちは降らなかったんですね。

気持ちのいいトレイルを勝山に向かって快調に駆け下る。

A5inが22時間ちょうどくらい、順位は1005/2458。

ここではボラのおばちゃんの強い推しで炊き込みご飯の雑炊を頂く。

めっちゃうめー!!(語彙力)

MFに向けての練習の中で減量兼ねてあまり補給せずに走っていると

どうしても30km過ぎくらいからパワーが出なくなる感じだったので

今回はA1からとにかく食べてました。一体クリームパン何個食べたのだろう。

腰を下ろして休みたい感じじゃなかったのでA5は10分くらいでout。

 

【A5 勝山 95km - A6 忍野 114km】

雨も上がりやっと平穏に走れるようになってきた。

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この区間は距離は長いですがロード多めのため割と楽。

途中のコンビニで買ったアイスの実を食べながら

走りと歩きを混ぜてあまり足を使わないように距離を稼いでいきます。

忍野inは25:20で順位は850/2458。

ここで装備チェックがありレイン上下とライトを確認。

少しストーブに当たってから出ようとしたら土砂降りになったので

レインパンツを出してから出発。

 

【A6 忍野 114km - A7 山中湖きらら 127km】

止まない雨の中忍野村のロードを行く。

大平山への登り林道に取りついた辺りから眠気で蛇行が始まるが

きららに着いてから寝ることにして頑張って進む。

が、その後一気に眠気が覚める。…これみぞれじゃない?

と思ったらすぐ雪に。

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うわああああ

大平山頂上に着く頃には辺り一面銀世界。

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ここからきららまではどれだけ降ってもまぁいい。問題はその後です。

この後気温が氷点下に下がってからサーフェイス最悪になった石割周辺の痩せ尾根と

杓子山の激登りずるずる下りを行けるのか?厳しい気がする。

と思ったらSMSで次のエイドで中止連絡。妥当な判断だなと思いました。

A7山中湖きららには28時間、770位でin。

初の100マイル挑戦は127kmで終了しました。

 

24時間雨に降られ続けてしかも低温というのは練習ではなかなかできない経験で

使える装備、シビアコンディションでは微妙な装備がよく分かりました。

とりあえずモンベル製品とプロテクトJ1は素晴らしかった。

 

去年の秋にUTMF当選してから半年、夢だった100マイラーになるため

山中心で月間200kmを継続し各種の講習会にも参加、

今の自分にできることは最大限やってきたつもりだったので

中止という結論を聞き心にぽっかり穴が開いたような状態になってしまいました。

 

あの状況で中止というのは極めてまっとうな判断だったと思います。

その後のバスのオペレーション等も含めて素晴らしい運営をして頂いたと思いました。

(渋滞は来年に向けて何とかしてほしいですが)

 

ただ走り切りたかったというこの想いはどうしても消えないです…笑

絶対あきらめない!何年かかってでもこの100マイルのコースで完走する!

そう強く誓いました!練習頑張る!てか早く次の山行きたい!

 

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短縮コース完走扱いという大会側のご配慮で頂いた今年のベストとキャップ。

100マイル走り切ってもう1枚手に入れるぞ。

 

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